EF58Kへの道のり                                   2015/09/18 更新


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KATO製 16番 EF58専用デコーダ試作品

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電機サウンドデコーダ開発記

NGDCCでは、起業時から、サウンドデコーダの開発を目指していました。詳細はいずれ書きたいと思います。2004.4にサウンドデコーダの開発の目途がたち、ガッタンゴットン鉄道模型のコメント で実質、開発表明となりました。

 

 

2004.8 (初期試作) 2005.8 (2次試作)
まずは、海外のデコーダにならい、ディーゼルエンジンの開発からはじめました。2005.1には、デコーダ基板がほぼ完成しました。

本格的な、製品化に向けての、具体的な検討を行っている中で、2005.5に 12mmメーカである、FAB殿 より、コンタクトがあり、EF58用のデコーダを急遽開発供給することとなりました。

 

2005.1
サウンドデコーダ開発の難しさは、デコーダ基板の開発だけではなく、音源の手配、編集のほかに、実車を熟知しないと製品には仕上がらないところです。

サウンドデコーダは、実車が走る風景を再生するのではなく、ホイッスル、ブロワー、モータ等の個別の音を自由にに制御することによって機関車が生きているような効果を生み出します。

しかし、私自身は元々鉄道マニアではないし、EF58に関しては幼少時に、天王寺駅で見たことがあるだけで実際に走るところは見たことがありません。

ですから、EF58のサウンドに明確なイメージを持っておられたFAB殿 と組めたのは幸運でした。詳しい経緯は、こちらのブログに掲載されています。

2005.11
サウンドデコーダの難しさの一つに実装の問題があります。

Nゲージですと載るだけで、良いかもしれませんが、ファインスケールモデルともなれば、外観をそこねたり、機械室等の窓からデコーダが丸見えというものはなるべく避けたいものです。

単に小さく作るだけでなく、場合によっては、模型の駆動系に合わせて変形した基板が必要となります。

FAB殿のEF58では、量産直前でモータが縦置きになったのでモータ軸を逃がすために大きな角穴を開けることとなりました。

2006.1
入換動力車標識灯点灯状態。 これはFAB殿のEF58を既に完成されたモデラーのブログです。

期待した以上の反響に驚きました。

16番EF58のみならず、日本型電機機関車デコーダへの期待が一気に高まってきました。

 

EF58サウンドデコーダの納品が完了して一段落したところで、自分でも欲しくなってしまいましたが、さすがにファインスケールモデルは私にとっては高嶺の花なので、手のとどく範囲ということで、KATO製 HO EF58をターゲットとしました。

 

2006.6
最初のサウンドデコーダから、部品配置の見直しや、劣悪な環境での実地走行試験をもとに、回路の最適化を図った結果、かなり狭く試作品を作ることができました。今後の汎用サウンドデコーダの標準となる予定です。

 

実際に、EF58を入手して中をあけたところ、Nゲージモデルのような、DCCフレンドリー化ができるのではないかという誘惑に駆られました。

ヘッドライトのみならず、スピーカも長方形のものを用意すれば、軸箱の上の空間を利用して、基板に直接スピーカを取付けすべく試作をしてみることとなりました。

軸箱の上には十分な空間があり、下側にも線路まで十分な空間がある。
2006.7
試作までスムーズに行ったものの大きな問題が発覚しました。基板をはさんで、上下に仕切ってあるので、十分なエンクロージャ効果があると思っていましたが、期待した10分の1以下の音量しか確保できませんでした。また、専用のエンクロージャを制作するのもリスクがあるので方針を変更することにしました。
キャブを分解したところ、2重構造になっていて、テールランプ用の導光器が通る空間が確保されています。ここに、20φのスピーカを取付けるように穴あけ加工することにしました。
側面から見ても、スピーカは見えなくて済みました。

 

同時に、LEDを2本使用して、入換動力車標識灯の点灯が可能なようにすることにしました。

 

入換動力車標識灯点灯状態。 結局、DCCフレンドリー化までは達成できませんでしたが、DCC組込み作業になれたモデラーであれば、小1時間でサウンドデコーダの搭載が可能となります。

試作では、基板に直接配線する構造になっていますが、適宜コネクタ化する予定です。

走行性能も申し分ありません。超低速で、長編成の列車を引き出してくれます。

 

ようやく、試作最終基板が完成し、組み立てて見ました。

特に問題も無く、部品の手配を進めることにしました。

コネクタの付近の様子です。

ケーブルを車体にうまく収めるのはコツつが要ります。

 

以上の情報は、あくまでも開発記であり、実際の製品とは多少異なりますのでご承知おきください。