赤い箱(DP1)でQSIデコーダがうまく動かない 更新2006/10/02
赤い箱でQSIのデコーダがうまく動かないということで、調査を行いました。
赤い箱での問題点は、以下の通りです。
プログラミング操作は、問題ない。
簡易コマンドステーションモードで、スロットルにうまく反応しない。
スロットルを操作しなければ、1秒ごとに。stop and goを繰り返す。
ヘッドライト、警笛などの、FXに反応しない。
2,3,4の問題は、赤い箱ではなく、QSIに問題があると思われます。ただし、DigitraxあるいはLenzのコマンドステーションでは一見正常に動作しているように見えますが、本質的には、QSIの問題です。
その問題点とは、DCC信号パケットを取りこぼしている可能性が高いということです。DigitraxあるいはLenzのコマンドステーションと同様に、同一命令を連続して2回送ることにより、2.4については、解決しました。最新バージョンの、DccPgm2,DccPgm3をご利用いただけます。
3.の問題は、パケットタイムアウトの設定にあります。QSIデコーダは、規定値で CV11=1が設定されているようです。これは、マニュアルでは、約1秒間、自分のデコーダアドレスあての速度更新が来ない場合には、スロットル異常として停止させるようです。ですから、CV11の値を増やすか、CV11=0(無効)にするとこの問題は一応解消できます。
赤い箱の規定値では、約1秒間隔で、更新パケットを送っておりますが、1回でもパケット取りこぼしが発生した場合にはタイムアウトとなってしまいます。調査したところ、更新パケットも高い確率で、取りこぼしがおきており、これも、更新時に2回連続して送ると良好であることを確認しております。
これらの現象は、QSI関連のユーザ情報でも、DCCの線路上の列車数が増えるとコントロール不能になるという事例が多く確認されることからも裏付けられます。
すなわち、通常のコマンドステーションは、スロットル操作によるパケット送信以外は、DCC上の列車の更新パケットを送り続けるので、列車数が少ない場合には、1秒間に何10回も更新パケットが送信されてくるのですが、列車数が増えていくと、更新回数が少なくなるため、やはり問題が出てくると考えられます。
プログラミングモードの問題は、各社いろいろと問題があるのですが、NMRA DCCの基本的なパケット取りこぼしがあるということは、特定のコマンドステーションで、動作確認を行ったということで、NMRAレベルの仕様適合確認をしていないのかもしれません。このレベルで問題のあるデコーダは今まで見たことが無かったので驚きです。
赤い箱の、DccPgm2,DccPgm3では出来る限り、QSIに対応すべく調整しており、最新バージョンでは、問題なく運転できているようです。ただし、コマンドステーション画面上の”高頻度送信”と”重複送信”を必ずチェックするようにしてください。PCでのCPU負荷が高くなりますので速度の遅いPCでは画面が重くなるかもしれませんのでご注意下さい。